風水先生は、本当に謎の人でした。
半月ほどモーレツに仕事をしたかと思うと、
半月ほどぱったりいなくなったり。
そして、人柄といえば・・・、
けっして人の悪口は言わない人でした。
純粋な人だ と感じました。
クライアントに
「○○さん、あなたはすばらし~い」と、
両手を思いっきり広げて 熱く語る姿を見て、
「あれは演技ではないな。本気で言ってるな~」
と思いまし た。
地理風水師の御堂龍児先生から
直接学んだとおっしゃっていました。
クライアントの自宅を一緒に訪問し、
メジャーで部屋の寸法をはかったり、
羅盤で道路との関係を見たり、
お供をしながら
その一部始終を観察しました。
詳細はなかなか教えてくれなかったので
ただ、その姿だけが脳裏に焼き付いています。
いま、どこでどうされているでしょうか、
もっと本格的に教えてもらいたいな~と思った時は
すでに連絡が取れなくなっていました。
忽然と現れて忽然と消えていかれた
そんな感じです。
山や川などの地理的要素を
ダイナミックに見ていく風水先生の話は
とても新鮮でありました。
当時話題になっていた「西に黄色」
等の風水とはまったく別物でした。
あるときは、外を歩きながら話していて、
おもしろいことを教えてくれ ました。
「あの山の頂をみてごらん。
あっちの山の頂と、こっちの山の頂を線で結ぶ。
そのラインが気の良い場所なんだよ。」
「同じ平野の田園地帯であっても、
場所によって米がよくとれるところと、
とれないところがあるでしょう。」
「山と山を結ぶ線が交わるところ、
そこが気のある場所なんだ」
それが伝統風水では「天心十道」という、
龍穴を見つける秘法だということを 知ったのは、
ずいぶん後のことです。