私が20代の頃
先輩から学んだ大切なことがあります。

理想の目と現実の目、
両方の目で見て判断するという考え方です。

その先輩の前職は
航空写真を撮ることだったそうで
そのころの経験を話してくれました。

今ならばドローンを飛ばして
上空から撮影したり、
あるいはGoogle Map でも
航空写真モードがありますので
割と簡単に航空写真を見ることができますが
当時は軽飛行機を飛ばして
上空から撮影するしかなかったのですね。

その航空写真を撮るときの話です。

1カ所からだけでなく、
必ず別の個所からも写真を撮ったそうです。

1枚の写真だけではわからない、
2枚の写真を重ねて、初めて
山の形とか地形がはっきりわかると。

この経験から出てきた話です。

二つの目で見た情報はどちらも正しく
二つの焦点を合わせることで
正確な位置を把握することができるし
そして最適な判断ができる。

このアドバイスによって
私が得たものは計り知れません。

立場の違う人の声、意見も
貴重だということを知り
以後、私にとって大切な
人生の指針となっていきました。

人間には右目と左目
二つの目があります。

耳にも右耳と左耳
二つの耳があります。

これが一つだったら
どうでしょうか?

たしかに、見ることはできる。
聞くことはできる。

でも、片目であれば
見えているものがどの位置にあるのか
わかりません。

遠近感がわかりません。

右目と左目の焦点が合うところで
位置や距離感がわかります。

耳もそうです。

両耳であれば
それこそステレオサウンドで
臨場感たっぷりに聞こえますが、
片耳であれば
モノラルサウンドで
どちらの方から音が聞こえているのか
わかりません。

これはものすごく深い話です。

ものの見方、考え方にも当てはまります。
一面の情報であれば
間違いではなかったとしても
正確ではありません。

違う方面からの情報を得て
初めて正確に認識することができます。

同じもの、同じ事実を見ても
二人の人が見れば
見え方がまったく違うことがあります。

たとえば
楽観的な人、ポジィティブな人の見え方、
悲観的な人、ネガティブな人の見え方は
異なります。

社長ならば、理想がよく見えます。
社員ならば、現場、現実がよく見えます。

良い悪いではありません。

当人から見れば
そう見えるのです。

正しいか間違っているかといえば、
どちらも正しいです。

そう見えているのですから。
これを、自分だけが正しくて
あなたが間違っていると主張すると
ケンカになります。

お互いに、そんなふうに見えているのかと、
相手の見え方も参考にします。

実は両方がぴったり合う一点があり、
そこが正解です。

右目と左目では見え方が違っていて
それぞれの見え方が一致するところが
「焦点」であって、
それで正確な位置がわかるという原理です。

楽観的すぎて、現実を無視して突き進むと
滅びます。
悲観的すぎて、現実ばかりをみていると
現実に埋没して発展がありません。

お互い、どちらの視点も必要なのです。