秋も深まり
紅葉のきれいな季節ですね。
昨日は妻と、車で1時間ほどの町を訪ね、
古い史跡を知人の案内で楽しみました。
途中、室町時代に
水墨画で有名な雪舟が設計したという
庭園に立ち寄りました。
修行するお坊さんが泊まる所、
宿坊の庭園です。
山の中腹にある周りの景色も
十分に素晴らしいのですが
せっかくならばと拝観料を払って
宿坊の庭園も見せてもらいました。
縁側にすわって
山を望む方向に庭があります。
「立って」ではなく、
縁側に「座って」見て良いように
設計されています。
満月の夜には
池の水面に月がぽっかり映るようにも
なっているとか。
そして何より素晴らしかったのが
住職さんの解説です。
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みなさん、この部屋に入ると
パッと紅葉の真っ赤な色が目に付き
驚くでしょう?
写真を撮る、それもいいですね。
でもよく見てください。
地面は一面の苔で緑でしょう。
そのコントラストで紅葉が映えているんです。
向こうに山が見えるでしょう?
雪舟はあえてこの構図を選んだのです。
そして「見る」というのは
本当は「観る」。
心で見てほしいと思います。
パッと紅葉が目につく
そしてきれいだなと思う
それは「視覚」の感覚。
人間には「五感」があります。
視覚の他にも「聴覚」、
何か聞こえるものはありませんか?
「嗅覚」匂いは感じませんか?
ここでは「味覚」はないかもしれませんが
「触覚」肌で感じるものはありませんか?
もう一度五感のアンテナを立てて、
どうぞ心の目で「観て」ください。
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皆いっせいに庭を向きました。
先ほどのザワザワ感はありません。
鳥のさえずり、水の流れる音が
聞こえます。
乾いた冷たい空気が、ほおにかすかに感じられます。
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静寂のひととき、
体全体で庭園の眺めを感じました。
そして住職さんに拍手が起こりました。
自然との一体感で癒され
悟りがアップしたかのような(笑)
ひとときでした。
人間と自然、
風水の原点でもありますね。