毎年恒例の「今年の漢字」は
「令」でしたね。
「令和」の「令」
「法令遵守(コンプライアンス)」の「令」
「避難勧告発令」の「令」
漢字一文字で今年の世相をあらわす
というこのイベントには、
いつもながら感心してしまいます。
漢字は本当に奥深いです。
「令和」は、皆さんご存知のように
万葉集からとった言葉ですが
漢字一字にも深い意味があります。
「令」の語源は何でしょうか?
甲骨文字から漢字の成り立ちを解明した
漢和辞典「字通」によると、
「礼冠をつけて、ひざまづいて神意を聞く人の形」
とあります。
「令」の上の「A」は「礼冠」で
「令」の下の「マ」は
「ひざまづいて神意を聞く人」の姿
だというんです。
そして別の語源の辞典には
「令とは澄んで汚れなく、きれいなことである。
神々のお告げは汚れなく清い」
という解説もあります。
「令夫人」と言えば
立ち居振る舞いに気品があり
性格も思いやりに満ちた夫人のことを指しますね。
「令和」に対して、
「命令の令」という批判もあったことからか、
政府はあえて英語では
「令和」を「ビューティフル・ハーモニー」
と訳して発表しました。
命令の「令」というイメージはなくなりましたが
英語に通じた人の話では
ビューティフルが「令」という訳には
違和感があると言います。
たとえば
ビューティフル・レディというと
外見の美しさを表現しているだけで
中身の品位まではあらわさない、
というのです。
日本が「令夫人」のような
気品があり思いやりのある国になるのか、
それとも
ただ外見が美しいだけで中身のない
ビューティフル・レディのような国になるのか?
それが問われているのかもしれません(笑)
そのポイントは、
「令」の語源のごとく
神様の言葉を聞く姿勢にありそうです。
自分の欲や我ではなく、
心静かに祈って、自分の本心、良心に尋ねて
判断し、行動する
ということです。
「令和」の時代を生きる一人ひとりの
心得にしたいですね。
※参照 令の甲骨文
「礼冠をつけて、跪いて神意を聞く人の形」は
この書家の方のブログにあります。
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https://bit.ly/2Plnwbv