先日、映画「天外者(てんがらもん)」を見ました。
「武士の魂」と「商人の才」を持つ男、
「時代を超え、志は未来に生き続ける」という
キャッチコピーに惹かれて映画館に行きました。
亡き三浦春馬さんの最後の主演作であり、
幕末から明治にかけて活躍した五代才助(友厚)の物語です。
膨大な内容を2時間弱の映画に収めるので
断片的なエピソードのつなぎ合わせで
ストーリーが進み、
少し物足りなさがありました。
本当ならNHKの大河ドラマで
1年かけてじっくりやってほしいくらいです。
ただひとつ、心に刺さるような場面がありました。
生麦事件から薩英戦争に至る場面です。
薩摩藩が購入し備えていた蒸気船、
天佑丸の船奉行添役として五代才助は捕虜になります。
英国という世界の大国の脅しに、
幕府さえも腰砕けになるなかで、
薩摩という日本のいち藩が
毅然として立ち向かうのです。
理不尽なことは理不尽と訴え、堂々と交渉し、
先に英国が力で向かってきたら
屈せずに備えていた軍備で戦う。
ともに甚大な被害を受け五分五分だったのですが、
薩摩は英国の圧倒的な技術力に驚き、
英国も薩摩の実力に驚くという結果になります。
「日本を侮るべきではない」と、
英国が日本を植民地にすることをあきらめた
きっかけになります。
映画では、主人公が叫んでいました。
「ここで逃げたら日本は永遠に立ち上がれない。
逃げずに立ち向かってこそ、未来があるんだ」
記憶が正確ではありませんが
そんな意味の台詞を叫んでいました。
この場面が一番心に残っています。
家に帰ったあとで
薩英戦争のことを色々しらべてみました。
その後の展開も驚きです。
薩摩は英国の力を認め
積極的に英国に近づきます。
軍艦を購入し、留学生を送り・・・。
「昨日の敵は今日の友」ですね。
騎士道と武士道と通じるものがあるのでしょう。
互いに尊重する関係です。
英国や、オーストラリア、ニュージーランドでは
温州みかんが「SATSUMA」として
スーパーに並んでいるそうです。
それは薩英戦争後、
薩摩から英国へ温州みかんの苗木が
贈られたからだとか。
みかんが薩英友好の象徴となっているのですね。